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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第2章 薄紅色の奇跡・・・

『・・・』


〃え・・・?〃






急いでいる私の脚が

なんとも硬直して

ピタリと止まっているのです







私の・・・真向かい側

並木道の・・・終わりの辺り




あちらから見れば

並木道の・・・入り口





そこに



人が一人・・・立っているのです











『・・・』



〃あれ・・・は・・・?〃







私は…金縛りのように硬直した

2本の脚の代わりに

両目をシパシパと動かし

目をこらして…何度も

じっと・・・そちらに目配せしました






人がいたって

なんら不思議でも何でもありません



ましてや

住宅街なのですから








いいえ、ですから

私が硬直したのは

〃人がいた〃

〃突然人が現れた〃

からではありません






目をこらして見た

その先に



桜並木の・・・先に




立っている〃その人物〃が





私にとり



あまりにも






あまりにも・・・なによりも





世界中のどこよりも





誰よりも





そこに

〃いるはずのない人物〃

だったから









誰よりも・・・私の心にいながら



誰よりも



その再会の可能性を持たない人物








『ウソ・・・・・・』




声に出していたか

唇を動かす事が出来ていたかさえ

私は自分ではわかりませんでした









だって・・・だって


そんなハズがないんだもの






だけど・・・だけど



だって・・・あれは・・・???













『ゆぅ・・・・・・ちゃん・・・?』





疑問符をつけながらも


私は…数十メートル

100メートルもない距離の


その先にいる人物が



〃その人〃に間違いないことが

なんとなく

当たり前のようにわかっていた







〃私が・・・彼を・・・見間違える訳がない〃

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