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Everyday Love MORE

第6章 ひと夏の経験【青黄】





ジャスミンは喉の乾きと異常な暑さに目を覚ました。まだ外は暗い。
寝汗が酷く、申し訳程度に付けていた扇風機では足りないとベッド辺りを手で探るとエアコンのリモコンを見つけ出し、電源を入れた。
自分の記憶の中ではエアコンはついていたはず。だから窓も閉めっぱないのはずだ。そりゃ、気温も上昇するだろう。
あの後律儀に消したのだろうか。彼ならやりかねない。
ひとまず冷房は確保できたため次に喉を潤わそうと冷蔵庫に行こうとした。
しかし生憎、自分は裸。衣服がどこにあるのかわからない。それに陰部からは強烈な不快感。
ジャスミンはどうしようかと自分の隣を見た。
隣で汗だくになって眠る彼の額を少しつつく。いつものパーフェクトな彼なら起きるはずだが、余程安心しきっているのか起きる気配がない。

「困った困ったこまどり姉妹…」

別にこのまま裸で冷蔵庫に向かってもいい。それに不快感だけで立てないという訳ではなさそうだから。でも、万が一彼が起きたらどう対処すればわからない。

「服を…探しましょうか…」

ジャスミンはベッドから降りると近くのライトを軽くつけ、衣服を探し出した。

「そろそろ起きるかな?」と思ったが冷房が効いてきたため汗は引いているが未だに爆睡中。

「そんなに疲れていたのね…」

眠りは浅いそうで、よく不眠になりがちだとスワンに相談しているのを見たことがある。だからここまで気を許してくれていているのは嬉しい。職業柄、寝れるときに寝てほしいから。まぁ、今日は人一倍疲れるようなことをした、させた気もするが。

「あれ?何でやねんねんねん…」

ずっと探しているのに衣服が見つからない。どこに脱ぎ捨てたのか、もっと明るくした方がいいのか、どうせホージー起きないだろうしとライトの明かりを上げようとしたとき目が合った。

「えっ」

しばらく動けず、2人は見つめ合う。先に動いたのはベッドにいる方だった。
勢いよく布団を被ると狸寝入りをしてしまったのだ。

「え?ホージー?」

何でそんなことするのか。さっきまで散々見てきたじゃないか。少し加虐にに満ちた顔で組み敷き、様々な愛撫でとろけさせられた自分の方が…と考えたところでジャスミンは我に返った。
急に恥ずかしくなって、ジャスミンはライトを最高まで明るくすると衣服を見つけ出し素早く身につけ、冷蔵庫へと飛んだ。



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