幸せの欠片 *超* 番外編
第4章 奇妙な同居生活
「…大丈夫?」
かずが心配そうに俺の顔を覗き込んでいる
覚悟していたとは言え、恐ろしい程の倦怠感に襲われた俺は
朝になっても起き上がる事はおろか、寝返り1つまともに出来ない位に疲れ果てていた
それどころか指1本、動かすのも怠い
「…正直、かなりキツイ」
ごまかしても仕方ないから、力ない声を振り絞った
「だよね、やっぱり辛いよね」
かずの目が、今にも泣き出しそうに潤む
「いいんだよ。俺が望んだんだから」
多分今の俺では、何の説得力もないと思うけれど
何とかかずに笑って見せる
だって本当に、この状態でも後悔は全くしてなくて
むしろ身体とは裏腹に、心は幸せに満ち溢れているのだから
「夜には、回復すると思うけど…、ごめんね。俺をもはっきり分からなくて」
もう触れる事は出来ないけれど
かずが俺の傍から離れようとしないだけでも、充分だ
「相葉さん、少しだけだけど…分けるよ」
「え…?」
「力、分ける。…でもね」
かずがキュッと唇を噛みしめた
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える