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第22章 つれづれ
…ガチャ、
自室の前まで来て、ドアノブに手をかけた。
まぁ予想はしてたけど。
鍵のかかった自室は、内側からロックされている。
当然合鍵は持っているけれど、
翔ちゃんを自分で追い出した手前、
帰って来たからまた戻って、とは言いづらい。
それに鍵を開けて、
お楽しみ中に遭遇しちゃったら最悪だ。
N「はぁ…。 」
どうしよ。
こんな時、頼れる人…。
N「…あ。」
コンコンコン
三「あーい、開いてるよー?」
N「けーんちゃん♡」
三「あー!にのーーー♡
どうしたのこんな時間にー??」
N「ねぇ、今晩泊めて??」
三「いーよいーよ♡ウェルカム♡」
けんちゃんがまだ起きててよかった。
3年生は1人部屋だから
他に迷惑かける人もいないし。
三「松本に部屋締め出されちゃったのー?」
N「んー、そんなとこ。 」
三「相葉も寝てたとかー?」
N「あぁ、うん…。」
三「それで泣いてたのー?」
ベッドに腰掛けてるけんちゃんが、
ポンポン、と布団をたたき、
横に座れと促すのでその通りにした。
N「…泣いてないし。」
三「うーん、泣いてないだろうけど、
悲しそうな顔してるよー?」
スッとけんちゃんの手が俺の髪を梳き、
そのまま優しく撫でられる。
三「…なんかあった?」
隣で微笑んで撫でてくれているけんちゃんの姿が
一瞬まーくんに見えた。
三「…にの?」
三「え?どした?」
三「え、いま?」
けんちゃんのあったかい笑顔を見ていたら、
急激に、罪悪感と焦燥感と悲しさと虚しさと
なによりまーくんに突き放された寂しさが襲って来た
三「おいおいおい…まてまて!」
N「うわぁあーーーーーん!!!!」
三「だぁあーーー!泣くな!泣くなって!」
N「ふぇっ…う、ぅわぁーーーーん!!」
まーくんに酷いこと言っちゃった。
あんなに怒ってたんだから
もう許してもらえないかも。
それもこれも全部、自分が悪いんだ。
ねぇまーくん。こんな俺でごめんね。
