
好きって言わない!
第27章 ラブストーリーは突然に。
プラプラと歩いていると、まわりは楽しそうに宝探しに盛り上がっている。
N「青春だねー。」
みんな頑張ってお宝見つけてねー、と心の中で適当に応援しながら自販機でジュースを買う。
屋上にでも行ってノンビリしよっかな。
学祭中は立ち入り禁止になってるけど、忍び込むのは簡単だ。
ゴロゴロしながらゲームでもしよう。
ポケットからスマホを取ろうと手を入れた時、あれ?と違和感を感じた。
ポケットには、いつもスマホと・・・
N「・・・・・。」
何度確かめても無い。
焦り出す気持ちを何とか落ち着かせながら、必死に頭を働かせる。
いつも肌身離さず持っていた。
着替える時も、スマホと一緒に入れ替えて。
ドレスから体操服に着替えた時は確かにあった。
ちゃんとポケットに入れたハズだ。
N「・・・なんで?どこで落としたの??」
落としたタイミングが分からなければ、どこを探せば良いのか分からない。
もう一度両方のポケットを探してみたけど、やっぱり見つからなかった。
N「どうしよう・・・。」
まーくんが買ってくれた、イルカのキーホルダー。
オソロイなのに・・・
溢れそうになる涙をグッと堪えて、ジュースを一気飲みした。
泣いてるヒマがあるなら探そう!!
体操服に着替えてからそんなにウロウロしてない。
きっとすぐ見つかる。
N「大丈夫・・・!」
自分に言い聞かせるように、何度も大丈夫だと心の中で唱えた。
