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Treasure of life

第11章 After the rain

side M


泣いて、泣いて、涙も枯れ果てた。

これでいいんだ、と何度も自分に言い聞かせた。

だけど、智くんへの想いが消えることはなかった。


何の気力も湧かなくて、暫くダラダラと過ごしていた。

人間が腐るってこういうことを言うのかな。


これじゃあダメだと、智くんのことを忘れようとした。

一人でいるといろいろ考えちゃうから、バイトもたくさんいれて、気を紛らわそうとした。

受験生なのに。

智くんがいたら、今頃こんな俺を「潤、何やってんだよ」って叱ってくれるんだろうな。


胸が苦しい。

忘れられるはずがないんだ。


会いたい


会いたいよ……。


智くん……。

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