
Treasure of life
第11章 After the rain
ジリジリと照りつける太陽の下、校庭では野球部の生徒達が快音を響かせている。
俺はその様子を教室の窓から見ていた。
俺が別れを切り出したら…、智くんはなんて思うだろう。
悲しんでくれるのかな……。
「じゅーんっ」
後ろからバシッと背中を叩かれて現実に引き戻された。
「和…」
「なに黄昏れてんの?あ、また智先生のこと考えてたんだろー?」
「…バカ。そんなんじゃねぇし」
「あれ?なんかいつもの勢いがないなあ。いつもなら、もっと『ちげーよっ////』とか言うのに」
「そんなこと…ねぇよ」
「しけた顔してると先生から嫌われるぞ?じゃ〜な〜」
そう言うと、和は掃除当番の仕事に戻っていった。
俺の様子がおかしいことに気づいているんだろう。
面と向かっては言わないけど。
和は…、そういうやつだ……。
