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Treasure of life

第11章 After the rain

side C


俺が大野先生のことを気になり始めたのは、美術の授業でのこと。

「知念、なかなかセンスいいな〜」

何の気無しに選択した美術だったけど、思いがけずそこで褒められたのだ。

勉強はそれなりにそつなくこなして来たし、今までも褒められたことはあった。

けど、それは上辺だけのものにしか聞こえなかった。


俺は先生のことをひと目見たときから、他の先生とは違う、不思議なオーラを持った人だな、とは感じていたけど。

自分だけ褒められたときに、何か特別な感じがして嬉しかった。

美術部にも入って、もっと先生のことが知りたいと思った。

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