
Treasure of life
第10章 三日月
だいぶ話が逸れてしまったけど…。先輩からの電話で罰ゲームが忘れ去られて今に至る、というわけ(笑)。
「しょうがねぇなぁ…」
「はいっ」
俺は満面の笑みで、罰ゲームの書かれた紙が入った箱を差し出した。
「じゃあ、…コレ!」
ニノちゃんが紙の束から一つ選んで取り出す。
「………」
「なになに!?なんて書いてあった?」
俺が紙を覗き込むと…そこには。
「あー!『本気のキス顔披露』だって!!」
「嫌だーっ!絶対やだっ!!」
「ニノちゃんコレ覚えてる?」
「昔、『ひみつの嵐ちゃん』の企画で何かの罰ゲームにあったやつでしょ!…俺やんないからね」
「あーっ!ニノちゃんずるいっ!言っとくけどね、俺なんてコレ、全国放送されたんだよ!それより全然マシだからね!?」
「…相葉さんだから出来たんだよ(笑)」
「…じゃあ百歩譲って、俺とラップキス!」
「は?」
「これは『しやがれ』でニノちゃん、鈴木亮平さんとやってたからできるよねぇ!?」
俺が出した代替案に、一瞬狼狽えながらも
「わかったよ。やりゃいいんでしょ」
ニノちゃんはブツブツ言いながらラップを持ってきた。
そして、薄い唇を軽く結んで潔く目を閉じた。
これで普通にキスしたら俺、殺されるかな(笑)?
それは怖いから、ちゃんとラップ越しに唇を重ねた。
唇が離れると、両手で顔を覆い隠してしまったニノちゃん。
「ニノちゃん、かわいいー」
俺がそう言うと、
「あいば〜かっ////」
ニノちゃんは、恥ずかしさを隠すように悪態をついた(笑)。
