
ねぇもう嫌・・・
第22章 時に神を憎むほどの出来事が襲っても…
『心エコーでも分かったけど、やっぱり小さい頃の心臓の手術もあったし心配だから。』
「…」
ああもう、色んな言葉使わないで。
医者っぽいこと言って…
騙されたくないよ…っ
『きっと触っても痛くないから。大丈夫。
…それとも、
恥ずかしくて触られたくない?』
「っ…」
『ねぇ。
いくら名医でも、患者の身体に指一本触れずに診察できるわけないよ。
…ちゃんと診察して欲しいでしょ?』
「…」
柊先生の胸元から目を逸らし俯く。
『…』
「…」
サーッと流れるように立つ鳥肌。
柊先生が突然何もしなくなった。
「…?」
ずっとカルテを見つめ、考えているような姿勢。
…諦めたのかな。
じゃあ…
そっと胸から手を離した。
だけど、それが間違いだった
