
ねぇもう嫌・・・
第21章 検査④
『そう。それじゃ、一応今日中に診てもらおう。』
"そんな…っ"って言葉は一文字に変換される。
「えっ…」
『流石に触診だけじゃ分からないよ。
検査は悪い所を確認するだけじゃない、
健康だってことを証明するものでもあるんだよ。
だから、ちゃんと診てもらって、君のその痛みが異常じゃないか確認するんだ。』
柊先生はもう私に背を向けていた。
「っ…」
何も言えなかった。
検査が健康の証明なんて考えたことがなかったし、それに賛同も出来なかった。
…異常だったらどうしよう。
どうしよう…。
『…昨日の夕食の後何か飲んだ?』
今にも声帯を震わしそうなその言葉たちは、喉元につっかえて、柊先生のその質問で掻き消された。
