ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
太ももが濡れ、検査台も濡れた。
看護師のカチャカチャという作業音の横で、頭が真っ白の私。
もう、なんで?
誰が柊先生を呼んだの?
…なんて馬鹿だ私。
どうせやられるなら誰でも良いって思ってたのに、いつの間にか柊先生に安心感を抱いてる。
"柊先生が戻るまでこのままで居てね。"
「っ…」
日曜日に、朝から…もう嫌だ。
看護師の片付けが終わる頃、検査室の扉が勢いよく開いた。
『ごめん遅くなった。望月っ』
柊先生が息を切らして戻ってきた。
無意識に扉の方を向くと、一瞬柊先生と目が合ってしまった。
「っ」
『虚ろな目つきだな。』
私に近づくなり柊先生はそう言った。
検査台に座っている私の体にはタオル1枚だけだった。
"柊先生、カルテです。"
看護師がさっきの状況を事細かに説明してる。
柊先生が腕組みし始めた。
『お腹触るよ』
柊先生が左手で検査着を捲り、右手で軽くお腹を押した。
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