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「セーフ！！」

背中越し、ガシャン！と閉められた鉄の門

ギリギリ滑り込みで校内に入った俺は、ニカッと笑って悔しそうな顔のそいつをしたり顔で振り返った

チッ、なんて舌打ちして

「つまんないの」
むーっと唇を尖らせるにのは、至極面白くなさそうだ

「何でだよ！遅刻じゃないんだからそこは喜べよっ」

風紀委員が、間に合った生徒にその態度はおかしくね？


「だってこれで2週間、無遅刻…」
「いやいやだから、それが普通なんだろ？！」

ギャアギャア言い合いしている横で、同じく風紀委員の翔ちゃん先輩がクスクス笑っている


この翔ちゃん先輩、穏やかに笑ってはいるけど実はにのなんかより遥かに怖い

だって笑いながらも、隙を狙って逃げようとする生徒の襟首ガシッと掴んで
“ざーんねん“ と容赦なく締め上げてる

たかが数秒にも容赦のないにのと、凍り付く笑顔の翔ちゃん先輩が組んだ朝の校門は

…はっきり言って遅刻組に取っては最悪な朝




2週間前

偶然居合わせた俺がにのを助け
見たことのないにのの姿を垣間見たあの日から


俺とにのの間は少しだけ、変わった