
今日も明日も 2nd season
第47章 行きつくところは
好きだと言う気持ちを全面に出して、だけどそれを押し付けないように細心の注意を払う
そうすれば
「……た」
ほら、にのが反応した
聞き返したいのを抑え、抱き締める手の力を少しだけ強くする
「…俺も、相葉さんの匂い、…好き」
「…だから、ここにいたの?」
胸の中で、にのが小さく頷いた
ー…部屋に入ったけど、何か落ち着かなくて。でもベッドに行ったら相葉さんの匂いがして
これが殺し文句でなかったら、何がそれに当てはまるんだろうか
やけに今日は甘えモードな猫を逃がしたくなくて、このまままた暴走しそうな気持ちを抑える事に頭を集中させる
せっかくならこの甘えを朝まで継続させていたい
結局のところ、離れる時間に慣れた訳ではなく
その分愛しさが増す事だけを今更ながら実感した事は
もしかしたら少し距離を開ける時間も必要なのかも、……と思わなくもないけど
やっぱり常ににのを感じていたいし、見ていたいし
怒ろうが拗ねようが、自分にこいつを手離す選択肢はない事だけは改めて再認識したのもまた事実だった
End
