
今日も明日も 2nd season
第47章 行きつくところは
仕事が入ればそれなりの付き合いも、必然的に出てくる
それはにのもお互いさまだし、「行くな」なんて嫉妬する類じゃないからか二人ともあっさりしたものだ
会えば「~と飲んだ」とか「~が面白い」とか普通に会話にもなっている
だからと言って、じゃあ仕方ないかと割り切るのはまた違う話で
「恋人」としてはやっぱり一緒に過ごしたいのも本音だった
だけど、にのからはなかなか「会いたい」なんて言わないし、何気に後輩の面倒見がいい
そちらを優先して、こちからから誘っても断られる回数の方が多かった
ー…そのにのが「会いたい」みたいなニュアンスをさらりと言ったところで、その意味が分からないのは自分のせいではないと思う
とうの昔に合鍵は渡してあるから、この後の予定を聞かれる事もない
どうせ泊まりの仕事じゃないのは、にのの事だからとっくにリサーチしてるだろう
「はい、じゃあ笑ってくださーい」
ふいに掛けられたカメラマンの声に、頭の中を支配していたにのの気配を片隅に追いやり
すっかり慣れた「笑み」をその顔の上に乗せた
