
今日も明日も 2nd season
第46章 見えない鎖 part ⅩⅤ
まるで、“そうだよ“ と言っているかのように俺を見上げる
「おいで」
缶を置いて両手をを差し出せば、また小さく鳴いて抱っこされるように身を預けた
「何か…大きくなった?」
貰った時よりも重さが違うし、大きさも違う
まだそこまで長くいる訳じゃないけど、考えてみたらにゃん太はここに来てからはかずくんにしか抱っこされていない
にゃん太も、最初から俺よりもかずくんに懐いてたし
「今日は一緒にいようか」
かずくんを1人で寝かすのは忍びないけど、今日ばかりは仕方ない
今、かずくんのぬくもりを、体温を感じたら自分を抑える自信がなかった
「みゃあ」
スリスリと顔を擦り寄せるにゃん太を連れて、何となく見たくもないテレビを付けてから、ゆっくりとクッションを引き寄せて腰を降ろす
胡座を掻いた足の間ににゃん太を降ろせば、にゃん太はすぐにその場で丸くなった
明日からの生活は、仕事を休んでいた時とは同じようにはいかない
収入が完全に途絶える現実は、はっきり言って不安しかなかった
