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今日も明日も 2nd season

第44章 どんな君でも


嬉しそうに笑ったと思ったら、俺の唇に相葉さんのそれが触れて

「手ぇ繋いで買い物したり、抱っこされてゲームしたり
……何だか親子みたいだった」


…相葉さんが語るそれは、正に俺が体験した内容そのままで


「同じ、夢を見てたって事?」

唇が触れそうな距離で相葉さんを見つめて問いかけると、再び軽くキスをして


「…みたいだね」

“凄い奇跡だー“ なんて笑って見せて



ー…そっか、夢か

そうだよな


すっぽりと相葉さんの胸に納まりながら、ちょっとだけ寂しく思った

目の前にいるのも同じ相葉さんだけど

ちび雅紀の時は大人の相葉さんを恋しく思ったけれど


今ではどっちもいて欲しかったとか、おかしな事を考えてしまう


「相葉さん」

「ん?」

「ぎゅってして」

俺が抱き締めた小さな固まりが、今は俺を包むように抱き締める


そして、抱き締められながらチラリと見えたテーブルには



ちび雅紀と食べた筈の

……空のお弁当が転がっていた


End



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