
今日も明日も 2nd season
第37章 甘える方法
仕事中は、皆がいるから我慢するのも言わないのも分かるけど
帰りの車からはずっと俺しかいなかったんだから、素直に言えばいいのに
「とりあえず、横になろ。…火、止めてくるから待ってて」
にのの身体を起こして、きちんと椅子に座らせ直してから足早にガスの火を止めて
またも足早ににのの傍に戻って 「歩ける?」と声を掛けた
「歩けない」
何となく、今日のにのならそう言うだろうと思った
「了解」
脇と、膝の後ろに手を回して持ち上げる
滅多にさせてくれない姫抱きに、俺の方がドキドキした
「まずは、熱下げようね」
「ねぇ、相葉さん…」
「分かってる。傍にいるし、ずっと手を繋いでてあげる」
「…うん」
安心したかのように目を閉じるにのをそっと布団に降ろす
毛布を掛けてから、にのの手を握ってあげた
具合悪くなくたって、これくらいいつでも甘えてくれればいいのに
いつになったら全力で甘えてくれるようになるんだろうね
…この可愛い恋人は
甘えたくても甘えられないにのも、可愛いけどね
End
