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今日も明日も 2nd season

第6章 1周回って好きになった




朝、没収された手帳は、昼休みに返却された

「はい。後1回で体育館掃除ね」
手帳を俺に渡すそいつは、やたら楽しそうに笑っていて

「たかが2秒、見逃せよな…」
「え、やだ」

あっさり拒否とか、少しは間を持てよ


「お前の事ホント嫌いだ」

恨めしげに返せば

「奇遇だね、俺もお前嫌い」

なんて返されて、挙げ句には

「そのたかが2秒の為に2秒早く起きればいいじゃん」

物凄く蔑んだ目を俺に向けやがった


「にの、相変わらず辛辣」
聞いていた大ちゃんが苦笑する

「笑ってるけど大野くん、あなたも後2回で掃除だから」

「…はい」

にのにピシッと指を指された大ちゃんも返す言葉もなく

固まった俺たちを横目に、にのは “バカが移るから帰ろ“ なんて捨て台詞まで残してから

颯爽と教室を去って行った



「…ムカつく」
「けど、間違った事は言ってないんだよねぇ」

イライラする俺と、困ったように笑う大ちゃんは

暫くの間クラスの奴らから憐れみの眼差しを受ける羽目になった

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