
今日も明日も 2nd season
第36章 H B M *黄×緑×ちょっとだけ黄*
今日は雅紀の特別な日だから
…だから今日だけは許してあげるんだ
頭の中で一生懸命自分に言い訳を繰り返す
怖くて逃げ出したい気持ちを悟られないように、必死に冷静な顔を作り上げていく
雅紀は、と言うと
“畳じゃ痛いから…“ とせっせと押し入れから布団を引っ張り出していて
「なにそれ…」
取り出した布団を見て、思わず笑ってしまった
「え、なにが?」
意味が分からずにきょとんとしている
「なんで布団だけそんなに立派なんだよ」
汚…古いアパートに似つかわしくないくらい
高そうな寝具一式
「睡眠って大事なんだよ?だから、お金なくてもここは譲らないの」
睡眠大事って……
大野さんか!(笑)
いや、あの人は“寝れるなら何でもいい“ 人か
「ちょっと待ってて」
いつのまにかすっかり服を整えた雅紀は、奥の扉の中から、バスタオルを数枚持って戻ってきた
何するんだろう、と雅紀を眺めてた俺は
「にの」
いつのまにか俺の目の前にその顔が来るまで、全く気付かなかった
「いいんだね?」
「…言わせんな、バカ」
…雅紀の目が、雄の目に変わった
