
今日も明日も 2nd season
第36章 H B M *黄×緑×ちょっとだけ黄*
…俺だって、ただ来て飲みたかった訳じゃない
普段、ないがしろにしてる分
せっかく知った誕生日をきちんと祝いたかったんだ
最初は予定通り、土曜日に待ち合わせか何がして
サプライズで驚かすつもりだった
でも、せっかくなら
日付が変わったその瞬間に、一番に祝いたいと思ったんだ
…だけど、
今の時刻はもう23時過ぎ
このままじゃ、考えてた予定がなし崩しになる可能性が高い
「雅紀、風呂貸して」
ダラダラ飲み続ける状況を壊したくて、どこか俺の様子を窺いながら飲んでいる雅紀に声を掛けた
「え、入って来なかったの?」
「悪いか」
帰りたい時間に帰れなくて、早く雅紀んちに行って先回りしたかったから
…ってのは内緒だけど
「寒いんだよ。お前の部屋!」
これは本当
小さいストーブじゃ、なかなか暖かくならないから
冷たいビールで余計に寒くなってきてた
「軟弱…」
ボソッと呟いた雅紀
本人は聞こえないように言ったつもりだろうけど
しっかりと俺の耳がキャッチした
「今、なんつった?」
「へっ!?」
「軟弱って言ってたねぇ…」
予定変更
俺は飛び付くように、雅紀に覆い被さった
