
今日も明日も 2nd season
第34章 愛しい人 *赤+紫×青*
「マジで…怖かったんだから。あれは」
鋭い目のままで、じっと俺達を見つめる
俺も潤も、何も言えずそれを受け止める事しか出来なくて
「大野さ…っ」
また潤がごめん、と言い掛けた時
ふいに起き上がった智くんが、指で潤の涙を拭った
それはまるで
子どもを見守る母親みたいに優しい動作で
潤が目を大きく開けるけど
…俺も、同じ
なんかもう、智くんには敵わない
そう、思った
「いいよ…」
「え?」
「…二人とも、俺が好きなんだろ」
「「うん…」」
ついハモったら、智くんの表情がフワッと柔らかくなって
「だったら怖かった事…忘れさせろよ」
赤くなって、そんな事言うから
咄嗟に「小悪魔だ」と言う言葉が脳裏をよぎった
そしてすぐに
…ドキドキして胸が痛くなった
