
今日も明日も 2nd season
第4章 見えない鎖 Ⅹ
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荷物、と言っても
かずくんの荷物は、俺が最初に買った数枚の服しかない
俺も別にこれと言って何を纏めて良いのか分からなくて
とりあえずの服と最低限の所謂 “トラベルセット“ をボストンバッグに詰めた
何日くらい留守にするのかも
そもそも何処に行くのかも、先輩からは聞いていない
冷蔵庫の中は、処分出来る物は処分するか
帰ってからそれを開けて “腐ってました“ は後の処理が面倒だ
早くに目が覚めた俺は、かずくんを起こさないようにベッドを抜け出してから、ひたすら今夜の事に思考を奪われていた
本当はもっと寝ていたかった
だけど、かずくんが悪夢でも見てるのか、何度もうなされる度に背中を撫でていたら、すっかり目が覚めてしまった
またうなされるかも、とそれでも暫くはじっとしていたけど
落ち着いた寝息に変わったところで、喉が乾いたのもあって起きる事にした
時計はまだ5時を少し過ぎたとこで
外はそこそこ明るくなってはいるけど、活動するにはまだ早くて
とりあえず手持ちぶさただったから荷物を纏めるに留めておいた
