
今日も明日も 2nd season
第32章 コイゴゴロ *紫×黄*
上げろと言われても、上げられる訳ないじゃん
首を横に振って拒否を表したけど、潤くんは尚も
「いいから上げろって」
肩に置いた手で、宥めるように擦りながら同じ言葉を繰り返した
「やだ…」
消えそうな声は、しっかりと潤くんに届いている
「あーもう!」
少し怒ったように、潤くんは無理矢理俺の顔を肩から外した手で挟み、上に向かせた
まだ涙は止まらない
潤くんの顔をみたら、ますます溢れてくる
「泣くなよ…」
潤くんの唇が目尻に触れた
その行動にびくん、と体が震える
「…気持ち悪いでしょ?」
いっそ、最悪だと罵ってくれたら
……諦められるんだけどな
「何が?」
なのに、潤くんはケロッとして訊き返して
そして
頬に置いた指で、両方の目尻をそっと拭ってくれた
「お前が逃げないから言うけどさ」
また、じっと見つめられる
今度は俺も、目を逸らさない
「俺、お前が好きみたい」
潤くんの顔が赤くなった
「お前だって…そうじゃないの?」
不安そうに、瞳が揺れている
…ねえ、それ本当?
