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今日も明日も 2nd season

第32章 コイゴゴロ *紫×黄*


そんな事を考えてたら、鼻の奥がツンと痛くなってきた


…ヤバい、涙出そう

だけど今泣いたら、俺の隠してきた気持ちがバレちゃう気がする


だから泣いたらダメだ



「逃げないの…?」

潤くんが、両頬を手で包み込んだ

「なん…で?」

「え?」


「俺を揶揄うの、そんなに楽しい?」

堪えきれなくなった涙が、目尻に溜まる

「かず?」



「…俺の気持ちなんか知らないくせに!」

ここでようやく、俺は潤くんの胸を突き飛ばす事が出来た


「ずっと…好きだったんだから!」

「え…」

ハッとした時にはもう

勢いで言ってしまっていた


こんな形で知られたくなかった



ずっと、胸に秘めて「幼なじみの友達」として傍にいるはずだったのに

もう、これで潤くんとは一緒にいられない

…目尻の涙が零れ落ちる


次から次へと溢れだす涙を止められず、俺は下を向くしかなかった

「かず」

潤くんが、肩を掴むけど

力が抜けて、それを振り切る気力も残ってない


「顔上げろよ」

…その声は、すごく優しかった

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