
今日も明日も 2nd season
第32章 コイゴゴロ *紫×黄*
「…っ」
強すぎる目力に、思わず息を飲む
何か言いたいけど、言葉が出てこない
「かず、お前……」
その先を聞きたくなくて
力一杯腕を振って、潤くんの手を離そうとした
だけど遥かに俺より強い潤くんのそれが外れるはずもなくて
「はな…して…」
小さな声で、懇願するしかなかった
射抜かれるような視線から逃れたい
何もかも、見透かされそうで怖くなる
「え……っ」
いきなりグイッと掴んだ手を引かれたと思ったら
俺は潤くんの胸の中に突っ伏すように倒れ込んでいた
…何度も夢の中では抱かれてた、その胸
だけどこれは夢じゃなくて、現実で
一瞬のうちにパニックに陥った
「ちょ…っ潤くん?」
「ダメだ」
「え?」
潤くんが「ごめん」と呟く
何が?と言うより早く、俺の顎を持ち上げると
俺の唇は潤くんのそれに塞がれていた
一瞬、何が起きたのか分からなかった
だけどすぐに、キスされてる事を理解して
…理解した処で、またパニックになった
