
今日も明日も 2nd season
第31章 罪 *赤×青*
「嘘、冗談だって…」
智くんが力なく笑って、俺から離れようとした
本当は待つつもりだった
智くんから言い出すのを
…だけどもう、待つのは止めた
「…何があった?」
抱き締める腕の強さはそのままに、宥めるように背中を擦る
「…言ったよね?…助けて、って」
「俺…そんな事言った?」
この期に及んで誤魔化すつもり?
「言った」
智くんの目を見つめてきっぱりと言い切った
「…なら、抱いてよ」
「え?」
「それから、話す……全部」
まだ潤んではいる智くんの目に、強い意志が見えた気がした
何故だろう
男同士なのに「抱ける」と思ったのは
今まで付き合ったのは、勿論女の子だし
まして同性と…なんて考えた事もなかった
ただ、確信しているのは
相手が「智くん」だからだと言うこと
他の友達なら、男なら、俺は真っ向から拒否している
…そっか
俺はいつの間にか、智くんを好きになってたんだ
だから嫉妬したんだ
…あの女に、嫌悪感を抱いたんだ
