無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

大野は俺だと分かると、スタスタと中に入ってきた

「どうした？」

「あ、旨そう！一口ちょうだい」

俺の問いかけを無視して、手に持っていたアイスをひょいと奪う

「おい！」

「うん、旨い！」

一口どころか半分以上食べてから、俺に返してくるから

「…いいよもう、お前食え」

そのまま大野に残りも食べさせてやった


「やった！ありがと、先生！」

にんまりして全て食べ終わると、大野が隣の椅子に腰掛けた


「で？お前何で学校にいるの？」

今日はどの部活も休みのはず

だから、生徒が来るなんて考えてもいなかったのだ

「美術室に用があって」

「美術室？」

「…先生、俺美術部」

まだ全員の部活は把握してなかった

大野が美術部…？何か似合わないっつーか

意外っつーか



「何その顔」

「え？」

「本当かよ、って顔してる」

大野が拗ねたように唇を尖らせた

「あ、悪い…まだ皆の部活まで把握してねぇんだ」

「ダメじゃん」

「うっせ」

楽しそうに笑う大野は何だか可愛く見えて


…可愛い？

そんな事を思ってしまった自分に驚いてしまった