
今日も明日も 2nd season
第29章 高校教師 *紫×青*
夏休みと言っても、殆ど学校に来ていた
溜まった仕事をこの休みの間に片付けなきゃいけないのもそうだし、緊急対応に備えての当番もある
まだまだ下っ端の俺は、当番の頻度はやはり増えるもんで
…面倒とは思っても、仕方無い
こればかりはまだまだ古い体質の縦社会だ。逆らえない
そして今日も
新学期に備えた資料作りと当番で、俺は職員室に一人出勤していて
誰の目もないのを良い事に
デスクに足を乗せて、買っておいたアイスにかじりついていた
ー…今日は、やる気起きないんだよなぁ
やらなきゃいけない資料が全く進まない
パソコンに向かっても、キーボードを打つ気にもならない
もう、今日は電話待機だけでダラダラしようか
なんて、生徒にはとてもじゃないが知られちゃいけない俺が、そこにいた
昼を過ぎた頃だった
…遠慮がちに、職員室のドアが開いたのは
「失礼しまーす…」
そこに見えた1人の生徒
「…大野?」
大野智が、入口に立っていた
「あ、何だ今日は先生か」
俺の姿を見て、大野はふにゃっとした笑顔を見せた
