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俺は正直、まだ禁欲してて欲しい

せめて今のドラマがクランクアップするまでは


今回は翔さんに言われて仕方なく来てやっただけで

…だって “行ってきた“ なんて嘘吐いてもバレるの時間の問題だし



「ねぇ、にの？」

「…なに」

「嫌われたくないけど、合意の上なら嫌わないよね」

「え？」

一瞬、背中がゾクッとしたのは気のせいじゃない



「にのが、したいって思えば問題ないわけだ」

……何か、相葉さんが怖いんですけど

我慢しすぎて変になってない？


手に持っていたコーヒーをグイッと飲み干し、テーブルに置いた処で、相葉さんがニヤリと口角を上げてみせた


「俺、それ手渡したけど “飲んで“ とは言ってないからね」

「え……」

何か、嫌な予感しかしない

逃げないと絶対にヤバイ気がする


相葉さんが触れそうで触れられない距離まで近付いてきた

「ブラックしか飲まないから、気付くかなと思ったけど」

にっこり笑う顔が黒い




「そのコーヒー、ちょっと甘くなかった？」


ー……やられた