
今日も明日も 2nd season
第24章 台風注意報
怖がらせないように、優しくそこを撫でながら少しずつかずとの距離を縮める
「言わなくても分かるだろ、なんて考えた俺がバカだった。ごめん」
ふるふるとかずが首を横に振った
「迎えに来てくれてありがとう」
「……」
「改札でさ、かずを見つけた時は嬉しかった」
何も言わないかずをそのままに、話し続けるのは
…ちゃんと聞いてくれているのが分かるから
「本当はさ、よろけたのなんかほっといてかずのとこに行きたかったよ」
「そんなの、…」
かずが、小さく呟く
「うん、さすがにそれは人として、しちゃダメでしょ」
これには、かずもこくんと頷いて見せた
「でも、かずはそれが嫌だったんだよね」
「だって……」
「ああ、ごめん。そうじゃなくて。嬉しかったんだよ、ヤキモチ焼いてくれてるって思ったから」
途端にかずが真っ赤になった
もう、10年は軽く一緒にいるのにかずの反応はぶれる事がない
一途で、純粋で、……俺を好きで
かずを好きな処は、俺も何一つ変わらないけれど
あの、感情に乏しかったかずが、今では俺に対しては感情を剥き出しにする
全身で、あらゆる感情を伝えてくるようになった
