
今日も明日も 2nd season
第24章 台風注意報
何やってんだよ、俺
かずが寂しがりなのも、他人の気持ちに敏感なのも知っているくせに
言わなくても察するなんて、出来ないのも分かっているくせに
一緒にいるのが当たり前になって、そんな簡単な事を忘れてた自分に腹が立つ
かずを守るって決めたのは誰だよ
悲しい思いなんかさせないって誓ったのは何処のどいつだ
そう思った瞬間、勝手に足が走りだした
早くかずを抱き締めたくてたまらなくなったからだ
足音に気が付いたかずが振り向く
その足音の主が俺だと分かって、目を見開いた
「…っ」
一瞬、苦しそうな表情を浮かべたかずが、咄嗟に俺から逃げようと背を向けたけど
それより早く、俺の手はかずの手首を掴まえる事が出来た
「離して…!」
俺の手を振りほどこうとかずが暴れる
「やだっ!まーくんなんか嫌い!」
「かず、ごめんっ!」
逃げられないように、力任せに腕の中に引き寄せると
割とすぐに、かずは嘘みたいにおとなしくなった
「ごめん…」
「…っ、く…っ」
かずの目から涙がはらはらと零れ落ちて
俺は一層の罪悪感を感じずにはいられなくなった
