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今日も明日も 2nd season

第18章 君は君のままで



普段、どちらかと言えば神経を常に尖らせている方だ


“いい人“ “癒し系“ などと勝手に作り上げられた偶像は、正直言って嬉しい訳ではないけど

悪い意味ではないそれをみすみすと覆す程俺だって浅はかでもない

だから、誰か他人が1人でもいる時は “無防備な自分“ を演じている事の方がウエイトを締めている

勿論「他人」、と言ってもそれを見せる必要のない人間はいるし
完全に曝け出した自分を出す事ができる

だけどその人が傍にいても、他に1人でも別人がいれば
そこは必然的に “作り上げられた自分“ が顔を覗かせるんだ


それは場所も厭わない

椅子に凭れて目を閉じる時も、端から見たら “気持ち良さそうに寝てる“ 自分を演じてるのであって

不意討ちにも笑顔で対応出来るよう、勝手に脳
がそう動いている



だから、ホントに一瞬の事だったんだ


凄く疲れてる自覚はあった

それでもこうして椅子に座って目を閉じるだけで起きているよりは疲れが軽減される

セット裏の、パイプ椅子に腰掛けて
決して座り心地など良くないそれに身体を預けるようにして
“眠ってる“ 自分を演じてる筈だった

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