
今日も明日も 2nd season
第13章 見えない鎖 part ⅩⅡ
かずくんが真剣に洋服を畳んでいる間、新しい所に連れて来られたにゃん太は色々と部屋を探索していた
一通りみて気が済んだのか
人恋しくなったのか
“にゃあ“ と1つ鳴いて、座るかずくんの足元に纏わりついた
「あとちょっと…待ってて」
目を細めて小さな頭を撫でたかずくんは、にゃん太がじゃれるのを好きにさせている
ああ、このじゃれつきのエスカレートした状態に
ムラムラしちゃったんだっけ
今なら穏やかに “可愛いな“ と落ち着いて見られるのは
やっぱりかずくんの気持ちを知ったからなんだろうか
服を畳みながら、よじ登るにゃん太の相手をするかずくんの表情はとても柔らかい
対して俺に見せるのは、緊張した顔か戸惑った顔、怯えた顔…または照れて赤くなった顔
“素“ の柔らかな表情はにゃん太だけの特権のようだ
「終わり、ました」
見れば、きっちりと畳まれた洋服が積んである
俺より遥かに丁寧で綺麗なそれに、感心した
「凄い綺麗。これから畳むのはかずくんの仕事にしようかな」
笑ってそう言うと
かずくんは目を輝かせて “はい“ と頷いた
自分に出来る事が増える
…かずくんにとっては、とにかく嬉しいようだ
