
今日も明日も 2nd season
第12章 バカップルここにあり
なんて言う認識の違いは仕方ないにしても
「ああ、ほら洋服皺になるよ!」
「風呂入ればさっぱりするから入って!」
「酒飲む前に何かおな…」
「ああもう!うるさいっ」
のろのろ部屋を移動する俺にぴったりくっついて、あれやこれやと口を出す相葉さんをギロッと睨み付けた
「俺はね、アナタとは違うの。疲れて家に入ったら何も考えたくないし、したくないの」
これ見よがしに大きく息を吐いて、ドカッとソファーに身を投げる
体重を受けて沈むそれが、良い感じに俺を包み込んだ
「そもそもだよ?ここは俺のうちなの。自分の家でどう過ごそうとアナタには関係ないよね」
「そっか」
俺の前に膝をついた相葉さんが小さく頷いた
良かった。分かったんならもういい
邪魔しないんならここにいても構わないし……って
「え?」
何故か俺の身体が宙に浮いている
いや、違う
浮いているんじゃなくて、相葉さんに抱き上げられている
「ちょっと…っ、人の話聞いてた?!」
「うん。だからお前は何もしなくていいよ」
にっこりと笑った相葉さんが俺を抱えたまま足を進めた
「俺が、全部やってあげるから」
その笑顔に、俺の背筋に何か冷たいものが走り抜けた気がした
