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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第17章 大切な弟・・・可愛い妹

『・・・名前、言えるかな?』



『・・・。・・・アイ…ル』



ちょっとビクビクしながら

小声で答えるアイルちゃん





『・・・ふふ。アイルちゃん?

何も恐いことしないからね♪大丈夫だよ』





『・・・~』





『ここどこだかわかる?♪』




『・・・病院?』




『うん♪・・・

どうしてここに来たか覚えてるかな?』





『・・・。・・・』






『・・・そっか♪』



『・・・』







『これ・・・何だかわかる?』





『・・・。・・・ボールペン』



ボクは自分の身に付けてる物や

周りにあるものを使って質問を投げて

アイルちゃんの状況を確かめる



『~これは・・・?』



『・・・リモコン』




『じゃ、これで…~そこの

テレビ、つけてみて?』



『・・・』




『・・・これは、なにかな?』




『・・・。・・・ケイタイ…デンワ?』





『うん♪…これキミのスマホ。

預かってたんだけど…返すから・・・

~これで、そこにいる…お養父さんに

電話かけてみてくれるかな?』





『・・・病院・・・て、ケータイ』




『・・・(笑)…ここは大丈夫だから』





『~・・・。おとうさん…は

忙しいから・・・用もないのに電話…は』






『・・・ふふふっ・・・そっか♪わかった』



『・・・あのぅ…』



なんなんですか?

と言う言葉を飲み込むように

アイルちゃんは不信そうにボクを見上げた



そりゃそうだよね



ごくありふれた、当たり前の物を見せられて

こんな質問をされては



本人は・・・ごく当たり前の状態だと



自分を∥ふつう∥の状況と


思っているのだろうから



・・・。

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