テキストサイズ

天然な君

第3章 優しい君。

食器は朔さんに任せて、着替えを済ませると洗濯物を干しにかかる。
今日は天気が良くて、温かい太陽にもう一回眠りたくなってしまった。
リビングに戻ると、パジャマから普段着に着替えた朔さんがテレビを見ていた。
その隣を通って、自室に荷物を取りに行く。
教科書と時間割をチェックして部屋を出ると、リビングから僕が見えたのか朔さんが廊下に出てきた。
見送ってくれるようで、靴を履いて振り返ると顔が目の前にあった。
反射的に思わず目を閉じるとちゅっと短いリップ音が鳴って、目を開くと平然とした朔さんがいた。
朔「悠が気になるなら休日でも見送る。」
そう短く手を口元にやって言う朔さんに少しきょとんとした僕はくすっと笑ってちゅーし返してやった。
すると、表情が表にでてしまっている朔さんは
「早く行け」と急かしてきた。
まだ半笑いぎみに「いってきます。」というと、
「いってらっしゃい。」と返ってきて。
…気にしてた朔さんもめずらしかったし、可愛かった。
朔さんに浸りながら今晩の夕食を朝から考える僕は、幸せすぎる奴だろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ