テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第17章 翼を・・・ください

『ダメな私(オヤ)の…勝手なエゴだけど

私・・・あの子にも伝わってるって

信じてるの』




『~~っ…~~っ』








『ゆぅちゃんが…愛してくれたこと

あなたには・・・そんな

やさしくて素敵な〃パパ〃が

逢えるのを待っててくれたんだよ…って

あなたは本当に沢山…沢山愛されて

生まれてくるのを
心待ちにされていたんだよ…って


そんな気持ちを…あの子は
ちゃんと知って…逝ったんだ、って
私・・・信じてるんだ。


だって…〃私の子〃だから』







『~~~~っ…!』








『そう・・・思えるのは全て

ゆぅちゃんの・・・おかげだから…っ』






マリアの声が
涙で滲んで震えている・・・







『感謝してるよ・・・ゆぅちゃん・・・っ』










『っ…~~っ・・・マリア』









『ありがとう・・・・・・っ』











真っ直ぐに・・・

涙で滲んだ目で俺を見て

ホロリ・・・

涙がこぼれるのと同時に

マリアは俺に向けて、ゆっくり
深く頭を下げた








マリア・・・




マリア・・・





マリアは・・・そう



こういう女性(ひと)だったよな



出逢った頃から



マリアは・・・マリアの言葉は



こうしていつも

俺の心を救ってくれていたよな・・・



ストーリーメニュー

TOPTOPへ