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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第29章 果たされぬ・・・約束

『エリカ・・・?』




『っ…~~…~~…』




暗くした部屋の中

ソファに近付いた俺に気付いたエリカは

瞬時に声を押し殺した




豆球のオレンジの光の下で
手にはギャル風なそのミテクレによく馴染む

プリクラやらゴテゴテとくっつけた
スマホを握りしめて

顔を隠して寝たフリしてる
ガキが横たわっている








強がろうが…悪態つこうが


あつかましかろうが
ふてぶてしかろうが


その心には…不安や寂しさ
様々なものを抱えた


まだまだ幼い・・・女の子







ポン・・・




『っ・・・』






ポンポン・・・





俺は決して顔を見せずに
寝たフリを続けるソイツの頭を

なんとなく・・・しばらくなでて
ベットに運んだ








『フゥ~~…』




反対に俺はソファに寝転んで

天井を見上げる・・・





〃なに、やってんだかな・・・俺〃






懐かしむ……なんて

カワイイ事じゃねぇが




今日…ちょこちょこと

脳裏によみがえった〃昔の事〃を

思いながら



俺は目を閉じた

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