
僕は君を連れてゆく
第67章 瞬きの合間に
日付が変わりそうな頃、折り返しの電話があった。
家に来てくれるというので甘えることにした。
30分ほどしてインターホンが鳴った。
「翔ちゃん?雅紀だよ」
玄関を開けたら鼻の頭を赤くした雅紀がいた。
雅紀に抱きついた。
「翔ちゃん…」
なにも聞かずに俺の背中に腕を回してくれた。
「中、入ってもいい?」
「ごめ…、こんな時間に」
そっと体を離したら手を握ってくれて、器用に靴を脱いだ。
リビングのソファに座ると雅紀も隣に腰をおろしてくれた。
「なんか、食べた?」
俺は首を横に振った。
「じゃぁ、何か作るよ」
雅紀はいつものようにキッチンに立ち冷蔵庫をあけて料理をしだした。
いつもならテレビでも見てるところなんだけど、いつものように変わらない雅紀にモヤっとして雅紀に近づいた。
「ん?そんなにお腹空いてるの?」
「そうじゃない…」
鍋に水をいれ火にかける。
「うどんにしよう、遅いし」
コンビニの袋がある。買い物してきてくれたんだろう。
「雅紀…」
背中に体を預けた。
「翔ちゃん?」
お腹側に腕を回すと俺の腕に雅紀の手を重ねてくれた。
何も聞いてこない雅紀。
「お腹が一杯になれば、大丈夫だよ、ね?」
「ふっ…なにそれ?」
「え?変かな?」
変だよ。
変。
でも、優しいその声に俺は…
「うまっ…」
「よかった…」
温かいうどんは俺の心に沁みた。
優しくてなんだか泣きそうになった。
「雅紀はさ…俺のこと…」
ここまで言って何を言おうとしてるんだろうと。
「好きだよ。俺は翔ちゃんが好き」
「雅紀…」
立ち上がり俺の隣に座ってくれた。
そっと肩に腕を回してくれて頭を撫でられる。
泣きそうだったから、涙が滲んでくる。
その涙を雅紀が拭ってくれて。
雅紀の肩が触れて、その掌が俺の頭に触れて、指が俺の目尻に触れて。
俺の身体が熱くなってきてる。
もっと、俺が触れたい。
雅紀に触れたい。
涙を拭ってくれたその腕を俺は掴んだ。
家に来てくれるというので甘えることにした。
30分ほどしてインターホンが鳴った。
「翔ちゃん?雅紀だよ」
玄関を開けたら鼻の頭を赤くした雅紀がいた。
雅紀に抱きついた。
「翔ちゃん…」
なにも聞かずに俺の背中に腕を回してくれた。
「中、入ってもいい?」
「ごめ…、こんな時間に」
そっと体を離したら手を握ってくれて、器用に靴を脱いだ。
リビングのソファに座ると雅紀も隣に腰をおろしてくれた。
「なんか、食べた?」
俺は首を横に振った。
「じゃぁ、何か作るよ」
雅紀はいつものようにキッチンに立ち冷蔵庫をあけて料理をしだした。
いつもならテレビでも見てるところなんだけど、いつものように変わらない雅紀にモヤっとして雅紀に近づいた。
「ん?そんなにお腹空いてるの?」
「そうじゃない…」
鍋に水をいれ火にかける。
「うどんにしよう、遅いし」
コンビニの袋がある。買い物してきてくれたんだろう。
「雅紀…」
背中に体を預けた。
「翔ちゃん?」
お腹側に腕を回すと俺の腕に雅紀の手を重ねてくれた。
何も聞いてこない雅紀。
「お腹が一杯になれば、大丈夫だよ、ね?」
「ふっ…なにそれ?」
「え?変かな?」
変だよ。
変。
でも、優しいその声に俺は…
「うまっ…」
「よかった…」
温かいうどんは俺の心に沁みた。
優しくてなんだか泣きそうになった。
「雅紀はさ…俺のこと…」
ここまで言って何を言おうとしてるんだろうと。
「好きだよ。俺は翔ちゃんが好き」
「雅紀…」
立ち上がり俺の隣に座ってくれた。
そっと肩に腕を回してくれて頭を撫でられる。
泣きそうだったから、涙が滲んでくる。
その涙を雅紀が拭ってくれて。
雅紀の肩が触れて、その掌が俺の頭に触れて、指が俺の目尻に触れて。
俺の身体が熱くなってきてる。
もっと、俺が触れたい。
雅紀に触れたい。
涙を拭ってくれたその腕を俺は掴んだ。
