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風俗課に配属されました

第75章 椎名理佳の事情①

この警察署の扉をくぐれば……

これまでの己の邪心と戦いながら
一歩……そしてもう一歩と踏み出す。

扉の両脇に門番のように佇む
警察官に声を掛けた。

「あの……」

私自身が置かれている立場を
説明しようとするが
何をどう話せばいいものか戸惑う。

「署内でお話されてください」

警察官は私の方を見ずに
正面を見据えていた。

私……殺人犯ですよ。

取り押さえなくてもいいんですか?

せっかくの昇級のチャンスを
逃していますよ。

……なんてね。

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