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風俗課に配属されました

第75章 椎名理佳の事情①

他愛も無い話がダラダラと続き
あっという間に規定の30分が経過した。

「じゃ、また来月ね」
「……理佳」
「ん?」
「いや……元気でな」

智也は看守と共に
私の前から去っていった。

『元気でな』

その言葉が頭の中で繰り返される。

『元気でな』

ここに通い続けて
初めて言われた言葉。

まさか……ね……

智也と私の間には絶対的な……

……

何があるというのか。

この数年間……

私の心の拠り所は……

ここにしか無いはずなのに。

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