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風俗課に配属されました

第59章 陣内亜衣の切ない事情①

私の父親が経営する会社は
倒産寸前だった。

そんな父親に手を差し伸べたのが
大手ベンチャー企業の代表取締役である
父親の古くからの知り合いであり恩師。

融資の条件は私と一人息子の結婚。

父親は泣いて私にすがった。

初めて目にした父親の涙に
居たたまれなくなり
最初で最後の親孝行だと
原田康人との結婚を決意した。

「亜衣……結婚しちゃうのか……」
「ぅん。今月中に退職届を提出するつもり」

だから歩くんに好きな人が居て良かった。

諦めがつくもん。

欲しいのは歩くんとの思い出。

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