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風俗課に配属されました

第87章 椎名理佳の事情②

引き留められもせず
本当に帰ってしまおうと
扉に手を掛ける。

「安心しろ。結婚も付き合ったりもしない」

背を向けて立ち止まる私に
斗真が近付いてくる気配を感じた。

「バカじゃん。心配なんかするわけ
ないでしょ。自惚れないでよ」
「そいつは失礼した」

扉に手を掛けたまま身体が硬直する。

「だったらどうして考えるって
期待を持たせる返事をしたの?」
「相手が相手だけに無下に出来ないだろ。
仕事に支障が無いような断り方を
考えるってこと」

斗真の手が私の肩に乗った。

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