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知らない世界

第34章 覚悟

次の日、普通の人ならしばらく入院するだろうけど、俺と翔さんは退院した。
俺は学校にもバイトに行けず、ただゴロゴロしているだけ。
家にもこんなケガをしていてはお袋を心配させるだけだから帰れない。


「大将んとこ・・・行こうかな?」


俺は店に向かった。


「すいません、まだ開店前で・・・
おぉ潤!大丈夫か?」

「はい、忙しいところご迷惑かけてすみません。
大野さんが連絡してくれるって言ってくれたんですけど、直接言いたくて・・・」

「そんなこと気にしなくても・・・
で、ケガの具合はどうなんだ?」

「腹を刺されたことより、腕を刺された方がひどくて・・・学校にも行けないんです。
翔さんは俺よりひどいケガをしたのに、仕事してるんです」

「あの人は責任感が強いからな。
そうだ潤、腹減ってないか?」

「あまり食欲がなくて・・・」

「浅いとはいえ、腹刺されてるからな。
お粥でも作ってやるよ」

「ありがとうございます」


仕込みの手を休め、お粥を作り始めた。
俺はボーッと作っているところを眺めていた。


「なぁ潤、何か話したいことでもあるんじゃないか?」

「いやっ・・・別に・・・」


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