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知らない世界

第29章 見えない恐怖

ーみ~つけた・・・ー


ただそれだけ書いた紙が1枚、破られた郵便物の下に2つ折になって入っていた。


「これ・・・どういう意味?誰なんだよ」


クシャクシャニ丸め、ゴミ箱に捨てた。
慌てて部屋に入り鍵を閉め、カーテンを閉めた。


「いたずらか?いたずらなのか?
頼む、いたずらであってくれ」


その日はベッドに潜り込み、そのまま眠った。

次の日の朝、翔さんからの電話で目が覚めた。


『もしもし・・・』

『おい、まだ寝てたのか?』

『うん・・・』

『相変わらず寝起きの声は、色っぽいな。
ゾクッとするよ』

『うん・・・』

『何だ、今日はノリが悪いな』

『あぁ・・・』

『・・・まぁいいや。
2、3日仕事で留守にするから、マンション来てもいないからな』

『えっ、連絡もとれないの?』

『昼間は仕事ででられないかもしれないけど、とれないわけじゃない。何だ、どうかしたのか』

『いや・・・別に』

『何かあったのか?』

『何もねぇよ』

『・・・潤、何かあったら大野にでも連絡しろ』

『えっ!?』

『何かあったらだぞ。
一人で抱え込むな、いいな』

『うん・・・』

『じゃあ、行ってくるから』

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