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Best name ~ 追憶 ~

第1章 私の記憶

うまく……言えない。


言いづらいけど……確実に思っていること。









『私が……いたら…
良くないんじゃないかって…。

病院は……評判とか…。

私のこと……知られたら…』





ソウタさんとマナさんの表情が曇る…。



2人を困らせたり
そんな顔をさせたいんじゃない…

だけど
気にせずになどいられなかった。



独立して、これからというソウタさん…
それについていくというマナさん。


私は…犯罪者だ。


ここには…この辺には
私のことを知っている人はいない…

それはそうかもしれない。



だけど、どこからともなく
私のせいで風評被害があったら…。


ソウタさんとマナさんに
そんなリスクを負わせるなんて…





『~アイル~~?もォ~
そーゆーの、ナシだよマジで!?
ココでは、そーゆーのナシ!!』



下を向いてしまう私に
マナさんがつよく言う。




『2人に……迷惑かけたくないんです…』




『…アイル。…誰にも迷惑かけずに
生きてける人なんか、どこにもいないよ!?

私たちも、これからみんな
そうやって助け合ってくんだから!…』




この時のマナさんの言葉…

じんわりと私の心に滲んだ言葉は
忘れられない。



そして…じっと腕を組んで
考え事でもしてたかのようなソウタさんが
ゆっくりと口を開く。

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