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そうこうしているうちに
お店がピークタイムをむかえて忙しくなった。






私は…世の中の様々なお店の人のような

プロの接客術など持ち合わせていない。




そんな技量もなければ
人と話すことも
お世辞にも上手くはないと思う。


お客さんから、お叱りを受けたこともしばし。


自分で考えながら、探り探り。


初めての仕事。


でも大好きな
大切な、私の仕事。



私なりに考えたり、勉強したり…。



完璧な接客はできない…
もちろん努力が必要。


だからせめて、と
お客様に聞かれたことには答えられるように

〃常に勉強〃

それを続けてきた。





ご近所の方を初め
今ではすっかり常連さんになってくれている
お客さんばかり…。


私は、お客さんに育ててもらった…
そう思う。





こんな私でも

受け入れて、良くしてくれる

あたたかい、大切なお客様だ。






営業時間も終盤に近づくころ……


そんなお客様の一人…


近所のかわいらしいおばあちゃん…。


いつもよくしてくれる
一番はじめの頃からずっとお付き合いのある
長いお客さんが入店してきた。


〃あれ…さっき見送ったばかり…〃



おばあちゃんは血相をかえて戻ってきていた

……患者さんになって。







事態は一変・・・急患。





大切な、おばあちゃんの愛犬が
血をながしていた。