
密猟界
第2章 雨の外へ…
「こんにちは…あの、お邪魔致します─」呼び掛けにも、ノックの音にも教会のドアの向こうは森閑としている。
「お邪魔します」ユノが教会の床に立てた傘の先に、みるみるうちに、水溜まりが出来た。
「ユノ、もっと奥に入りましょうよ」チャンミンの声が響く。天井が高いので、狭い場所だったが広がりを感じさせた。
二人は、礼拝堂の中ほどの長椅子に座る。
「ユノ、これあててください…楽でしょう」真ん中の通路をとおって、チャンミンがクッションやシートを抱えて持ってきた。
「ア─、楽ちん。…うん」クッションのひとつには、天使の刺繍が施されている。「さっき…、誰か─いましたよね」「大きな声、出してた人が…か」シートを腰に敷くユノの、雨にグッショリ濡れたコートを脱がせながら、チャンミンが云うと、ユノが云った。「教会には相応しくない大きな声だった─」チャンミンがユノの右の膝の下にクッションを差し込む。 ─フゥッと溜め息をユノが、息を吹き返した人ように、吐いた。
──「ところで雨止んだんでしょうか?」チャンミンが思い出したように、云った。
教会の天井に近い窓は、磨り硝子で外の様子は見えない。
「お邪魔します」ユノが教会の床に立てた傘の先に、みるみるうちに、水溜まりが出来た。
「ユノ、もっと奥に入りましょうよ」チャンミンの声が響く。天井が高いので、狭い場所だったが広がりを感じさせた。
二人は、礼拝堂の中ほどの長椅子に座る。
「ユノ、これあててください…楽でしょう」真ん中の通路をとおって、チャンミンがクッションやシートを抱えて持ってきた。
「ア─、楽ちん。…うん」クッションのひとつには、天使の刺繍が施されている。「さっき…、誰か─いましたよね」「大きな声、出してた人が…か」シートを腰に敷くユノの、雨にグッショリ濡れたコートを脱がせながら、チャンミンが云うと、ユノが云った。「教会には相応しくない大きな声だった─」チャンミンがユノの右の膝の下にクッションを差し込む。 ─フゥッと溜め息をユノが、息を吹き返した人ように、吐いた。
──「ところで雨止んだんでしょうか?」チャンミンが思い出したように、云った。
教会の天井に近い窓は、磨り硝子で外の様子は見えない。
