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恋と秘密と幼なじみ

第10章 夏の暑さと映画デート

このケータイ小説発の映画は公開初日ということもあってかなりの賑わいを見せていた。

見事なまでに女子中高生が集まっており、劇場内は化粧やら香水やらの混じった若い女の子の香りが充満していた。

はじまるまでは居心地悪そうにしていた祥吾だったが、照明が消えると少しリラックスしたようだった。

俺様的な男の子がモテまくり、好き勝手やってたけどヒロインの女の子だけは思い通りにいかないというのが話の筋だった。

はじめはヒロインの気を惹きたいだけで頑張っていた俺様王子だったが、徐々に本気に好きになっていくといういかにもありそうな展開で話が進んでいく。

都合よく雪山で遭難した二人が、何とか無人の山小屋で吹雪を避け、そこで信頼やら恋が生まれ、運良く発見して貰えるという、これまたありきたりでご都合主義のクライマックスを迎え、最後には二人が結びつくという、一ページ程度で説明が出来る内容だった。

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